異界・異形のつぶやき 2021年8月3日(火) - 15日(日)〈会期中無休〉 13:00 - 19:00 お越しいただく前に、最新情報をご確認ください。
古くから人々は、様々な神話や伝承の世界を、絵や彫刻という目に見える形に表してきました。異界・異形の造形物が途切れることなく制作されてきたのは、目に見えない物事を具現化することが、いつの時代にもアーティストの想像力を搔き立てるものだったからでしょう。 神や悪魔、怪物や精霊、それらは人間が生み出した存在です。その存在理由の根底には、それらを必要とした人々の心があったのでしょう。そしてそれは時代を経て、科学技術が発展し、物質的に満たされつつある現代でも変わらないのかもしれません。コロナ禍に現れたアマビエなる妖怪もその一つでしょうか。 私自身も子どもの頃から、本などを通して異界・異形の者たちに触れ、先人のイメージしたその存在の形をベースに、自分なりのイメージを作ってきました。私の中で脈々と続いてきた異界・異形の存在への興味、そしてその存在を形にしたいという想いは、弱い私の強さへの憧れだったのでしょうか。よくはわかりません。情熱とは常に論理的ではなく、感覚的なのです。 だれもが自分の世界を持っています。他人から見れば、それは異世界です。私の世界(イメージ)と、ここを訪れるみなさんの世界(イメージ)が交わった時、どんな異世界からのつぶやきが聞こえてくるのでしょうか。受け入れられない恐怖の存在ではなく、共に在ることのできる、ある種の親しみを感じる存在として、彼らのつぶやきに耳を傾けてもらえたら幸いです。
がまサーカス387 (ガマサーカスサンハチナナ) 福井県生まれ 以後 地球市民として地道に生活をおくるかたわら、 制作活動を続けています。